根尖膿瘍とは、人間でいう歯根膿瘍のようなものです。デグーちゃんには歯根が無いため、根尖膿瘍と呼ばれています。
今回は根尖膿瘍のお話をしていきます。
根尖膿瘍ってどんな病気?
不正咬合の子に多い病気で、我が家の不正咬合のもぐたも根尖膿瘍を罹っています。
どんな病気かというと、歯の根元に菌が入り込んでしまい、膿んでしまうものです。下顎に出れば下顎に膨らみができてどんどん大きくなります。上顎に出ると眼球突出などがみられることもあります。
体の外側にできれば気付けるのですが、口内にできることもあるようです。その場合は、歯軋りが多くなります。

小動物の顔の出来物は、不治の病とされています。
治療法はありますが、完治はかなり難しいと思って下さい。
病院での治療
病院では、針やメスを使って膿を切開して絞り出します。
そして、洗浄してお薬を塗って経過観察となります。
デグーちゃんは膿袋を作ってしまうので、それごと抜去する手術もあります。しかし、体に負担が大きい為、ほとんどしません。膿袋は体に吸収されます。実際、うちの子は針で傷を作って膿を出すだけですが、膿袋は体に吸収されました。
昔は、根尖膿瘍になった歯を抜歯して内側から洗浄し、消毒する治療だったそうですが、それはもう古いメソッドだそうです。
家での治療
正直、これが本番だと思って下さい。
病院での治療よりこちらが大切で、しかも大変です。
まず、病院で作ってもらった膿の傷をできるだけ治さないように、1日1〜2回カサブタを剥がします。これが痛いようでかなり嫌がります。
我が家は夫婦2人でカサブタを剥がしています。もぐたは鼻腔圧迫もある為、酸素を嗅がせながらの処置になります。
そして、膿を絞って抗生剤のお薬を塗ります。我が家では、目薬の抗生剤を使っています。何故かというと、目薬の抗生剤は、成分の粒子が大きく口に入ってしまっても、消化されずに体から出ていき、下痢をしにくい、という理由があるようです。
そして、1回針やメスで傷をつけた膿は2回目以降は自壊(膿が自然と破ける)を狙います。1回傷を作るとそこの皮膚が薄くなるため、傷を作らなくても自壊します。その方がデグーちゃんの負担も少なく、痛みや出血も少ないです。
自壊したら、カサブタを剥がす作業をする、という流れになります。獣医さんもこの流れが結局、最善とも仰っていました。
痛いことしてデグーに嫌われたくないよ・・・
これは、心配しなくて大丈夫だと思います。
デグーちゃんは意地悪なのか必要なことなのか理解しているように思います。
実際、1年近く根尖膿瘍と付き合ってきて、コツを掴むまでかなり痛い思いをさせてきましたが、もぐたは変わらず飼い主と遊んでくれますし、ナデナデもさせてくれます。
コツを掴むって?
先ほど、コツを掴むまでと述べましたが、1年かかって分かったことを共有したいと思います。
カサブタを剥がす時に、病院からは排膿処置(カサブタを剥がして、膿をしぼって、薬を塗ること)は1日2回と言われていたのですが、正直それだとかなり痛い思いをさせてしまいます。
どうすれば、痛みを軽減できるかというと、カサブタが少し浮いてきたら排膿処置をする!です。
傷に密着しているカサブタを剥がすのはかなり痛いようなので、浮いたら剥がすと良いです。しかも、密着しているより浮いている方が剥がすのが何倍も飼い主が楽です。
大体、夜に剥がすと次の日の夜にカサブタは浮き始めます。なので、そのタイミングでの排膿処置がデグーちゃんも飼い主も楽です。痛みも少ないです。
獣医さんにも相談したらそれでもOKと言ってもらえました。
また膿がでてきたら?
先ほど述べた排膿処置で、1週間くらい傷がついた状態を維持できます。傷が治っても残念ながら、また膿は出てきてしまうのですが、この治療をどれだけしっかりできるかで、次の膿が出るまでの期間を空けることはできます。膿の菌は嫌気性なので、カサブタを剥がし空気に触れさせることで、殺菌することができます。
また膿が出てきたら、自壊してから排膿処置をしましょう。自壊する合図として膿が出ているところの皮膚が真っ白になります。そうすると、自壊が近いなと思って頂いて良いです。
そうならない場合は、もう一度病院で傷を作ってもらいます。ですが、あまりにも小さい膿だと破いた時に体内に膿が回ってしまう可能性があるので、ある程度の大きさが必要です。でも、そこまでになるのに自壊の方が早くきてしまうと思います。
飼い主的には、痛いの可哀想だし心配になるし、完治してほしい!が1番の願いだと思います。でも、それが難しいのが現実です。上手く付き合っていく、と思っておくのが賢明だと思います。
画像付きで家での排膿処置を解説
⚠️傷口の写真が出てきます。苦手な方は気をつけて下さい!

カサブタの浮き具合を確認します。このくらい浮いていれば、あまり痛くありません。

カサブタを剥がして、傷口を絞ると膿が出てきます。これをティッシュで拭いてあげます。

2カ所、膿があったので、排膿処置をしました。

最後に薬を塗ってお終いです。
注意点
排膿処置中の傷がある時は、絶対に砂浴びをさせないで下さい!
傷が治っている時だけにしましょう。
また、ケージや部屋はなるべく清潔に保ってあげて下さい。
傷から感染症になってしまうかもしれません。
まとめ
根尖膿瘍でお困りの方は、意外と多いかと思います。
残念ながら完治は難しい病気ですので、上手く付き合っていく方法を、この記事でヒントを得てもらえたらな、と思います。
看病頑張りましょう!
よきモキュモキュライフを🐭🤎🐭
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